自律型ロボット対戦競技「ハードウェア部門」
本格的な電子パーツや模型部品を使ってロボット本体を製作、
制御するためのマイコン、プログラムまで、自作のロボットで競技を行います。
メカ、エレクトロニクス、プログラム技術のチームワークも重要です。
★10月23日、競技要項が一部変更されました。内容はこちら(PDFファイル 約150KB)です。
お手数でも下記競技要項、参加校にお配りした「開発仕様書」と照らし合わせてご確認ください。
■筋書き■
《予選》
桃を載せたロボットが、川(白線のライン)を伝っておばあさんのいる川岸へ向かう。おばあさんのいる川岸にたどり着き、いちはやく誕生する桃太ロボは!?
→ライントレースの正確性とスピードが要求される。
《準決勝》
正義感の強い桃太ロボは、人々を苦しめる鬼の行動が許せず、ついに鬼退治に向かう。猿、キジ、犬をお供にし、鬼ヶ島上陸となるか。
→光のセンシングと俊敏な動きが求められる。
《決勝》
桃太ロボは大勢の鬼を次々と荒海へと追いやる。パワーと俊敏な動き、そして相手を見つけるセンシング技術、これらの総合力が勝敗を決定する。
日本一の桃太ロボ、ここにあり!!
■競技要項■
1.ロボットの規格
(1)大きさ:横幅300mm以内、進行方向400mm以内、高さ500mm以内
(2)重量:4kg以内
(3)電源:ロボット本体に内蔵した密封型電池であること
(4)スタートスイッチを持っていること
(5)ロボット頂部に最大直径約25cmの風船を載せることができること
(6)風船を割る機構を備え、容易に取り外しができること
(7)コースを傷つけるおそれのある機構を持たないこと
(8)風船を割る機構は本体から離れて飛び出さないこと
(9)校名、ロボット名をロボットの適当な見える位置に表示すること
(10)スタート後はロボットの変形・部分的可動は認めるが、変形及び可動後のロボットの最大長は縦、横、高さがそれぞれ600×800×1000(mm)以内であること。
- 調整・試走のために、車検時に本コースを開放する予定です。このとき若干コースに汚れが生じる可能性がありますが、原則的に補修はしません。
2.競技場概要
(1)予選
図1の予選競技場平面図を参照してください。一辺6.3mの正方形の平面で、高さ5cmの板が図のように設置されていますが、進入路の外側にはありません(図3)。
中央には、高さ40cmの位置に針が1本、各ライン方向に向けて設置されています。この針でロボット頂部に載せた風船を割ります(図2)。
ライン上には直径10mmの鉄棒製ゲート(図4)が3か所に設置されています。
床面は「濃紺」の塗料で塗装され、「白」の塗料でラインが引かれています。これらは明確に区別のつくトーンとします(ターナー色彩(株)ターナネオカラー、表示色名称「紺」、「白」)。
また、障害物も配置されています。スタート位置はいずれも4隅になります。
(2)準決勝
競技場は予選と同じですが、次の点が異なります(図5)。
予選のとき障害物であったグローブ付きランプの上には、最大直径約25cmの風船が取り付けられています(図7)。これはキビ団子、猿、キジ、犬に相当します。中央の鬼ヶ島は、水平に向けられた4個の60Wレフランプミゼット型、この上に最大直径約45cmの風船が置かれています(図6)。
スタートエリアは図のような位置で、1コースと2コースの二つです。また、ゲートは取り除かれますが、中央の鬼が島の周囲には障害物が設置されています。
(3)決勝
競技場は図8の通り1辺が2.7mの正方形の平面で、赤鬼、青鬼(いずれの鬼も固定されていません)が配置されています。床面は「濃紺」の塗料で塗装され、競技場の周囲は幅10cmの「白色」で塗装されています。これらは明確に区別できるトーンとします((1)に同じ)。
赤鬼、青鬼の内部には乾電池により点灯する豆電球があり、透明の板を通して周囲に光を発しています。
(4) 会場の床面照度は約750luxです。
3.競技方法
3−1 予選【タイムレース 最大試合時間1分】
参加ロボットは、あらかじめ定められた手順により4つに分けられ、出場順位が決定されます。最大4台のロボットでスタートし、桃太ロボの誕生する時間(ロボットの頭上に取り付けられた風船を割る時間)を競います。3回競技を行い、最も早く誕生させた(自分の風船を割った)ロボット上位8台が桃太ロボとなり、準決勝へ進出します。
《規定》
(1)競技者はスタート前に直径約25cmの風船を膨らませておき、ロボットの頭上に取り付けます。
(2)スタート合図とともにロボットのスタートボタンを押します。この時点から計時が始まります。ロボットがスタートエリアから出たあとは競技者はロボットに触れることはできません。ロボットは各ライン上に設けられたゲート(図4)をくぐり、中央の針の位置に向かいます。スタート後選手がロボットに触れたり、コースから外れ他のロボットのライン上に達したとき、及びゲートを通過しなかった場合、その競技は失格となります。なお、ロボットが誤って競技場外へ出た場合、競技者は速やかにロボットを停止してください(以下同じ)。
(3)スタートしたロボットはライントレースにより中央に設置してある岸辺の針(図2)をめざします。これによってロボットの頭上にある風船を割ることができます。
(4)すべてのロボットは3回の競技を行い、それぞれ桃(風船)を割るまでの時間が記録され、最も早い記録を持つロボット8台が選出され、桃太ロボとして準決勝に進みます。
3−2 準決勝【競技時間2分】
図5の予選競技場平面図を参照してください。予選で勝ち残った8台の桃太ロボは、予め定められた手順で2台ずつ4チームに分けられます。1対1で競技し、風船を割ったポイントの多いロボットが決勝に進みます。各チームから1台選出され、合計4台が決勝に進出します。
《規定》
(1)競技者は桃太ロボに風船を割る針を取り付けます。
(2)競技者は2台の桃太ロボをスタートエリアに設置し(予選のタイムの速い方がスタートエリアの1)、キビ団子のランプが点灯されます。スタートの合図でスタートボタンが押され、1回戦の競技が始まります。
(3)各桃太ロボはキビ団子風船を目指します。桃太ロボによってキビ団子風船が割られたらそのランプは消灯されます。キビ団子風船の消灯と同時に猿、キジ、犬のいずれかのランプが一つ点灯されますが、点灯順序は定まっていません。以下、順次1個ずつランプの消灯と次のランプ1個の点灯が繰り返されます。
(4)キビ団子、猿、キジ、犬の風船すべてが割られたら、鬼が島(図6)のランプが点灯します。競技時間内にすべての風船が割られた時点で鬼が島上陸となり、1回戦の競技は終了します。
(5)2回戦はスタート位置(コース1と2)を入れ替えて上記(2)〜(4)を行います。2回戦の点灯順序は1回戦と同じです。
(6)ポイントはキビ団子、猿、キジ、犬がそれぞれ1ポイント、鬼が島の風船が3ポイント、消灯しているランプの風船を割った場合はマイナス1ポイントで、2回の合計ポイントで勝者を決定します。
(7)同点の場合、鬼が島に上陸した数の多い方(中央の風船を割った数の多いロボット)を勝者とし、これで決まらない場合は再試合とします。
(8)(1)〜(7)を4チームが行い、4台が決勝に進みます。
3−3 決勝戦【競技時間3分】
図8の決勝競技場平面図を参照してください。決勝に進出した4台の桃太ロボは、予め定められた手順により競技順序が決められます。競技は総当り戦の総合ポイント制で、1つの対戦は2台のロボットで2回(スタート位置を入れ替える)行います。
競技場内には弱い光を発する赤鬼、青鬼が置かれています。桃太ロボは鬼を見つけ、海へ追いやります。このとき、自分以外の他の桃太ロボも鬼という扱いです。鬼を海に追いやった総合ポイントで日本一の桃太ロボを決定します。
以下、合計ポイントの多い桃太ロボから、準優勝、3位、4位となます。
《規定》
(1)競技者は桃太ロボの針の部分を取り外し、スタート位置に設置します。
(2)すべての鬼のランプが点灯し、スタートの合図でスタートボタンが押され、1回戦
が始まります。各桃太ロボは鬼の退治(競技場から押出す)に出かけます。
(3)競技が終了した時点で次のように各桃太ロボのポイントが計算されます。
- 競技場内に残っていた桃太ロボ:1ポイント
- 赤鬼、青鬼を追い出した桃太ロボ:一つの鬼に対して2ポイント
- 相手のロボットを追い出した桃太ロボ:3ポイント
2台の桃太ロボで追い出した(どちらの桃太ロボによるものか判明しない場合を含
める)場合は当該ポイントを山分けする(2で割ったポイント)。
(4)次の場合に競技は終了します。
- 競技終了時間となった場合
- 競技時間内で、すべての鬼及び相手ロボットを海に追いやり、鬼が島(競技場内)に桃太ロボ1台だけとなった場合
- 競技時間内で競技場に桃太ロボが1台もなくなった場合
(5)第2回戦はスタート位置の入れ替え、(2)〜(4)を行います。
すべての競技が終了した時点での総合得点から順位を決定します。
(6)同得点の場合、当該ロボット同士の決定戦等で順位を決定します。
4.自律型ロボット対戦競技場 図面(ハードウェア部門)
(別ウィンドウが開きます)
- 200mm角のアクリルBox(2mm厚)を加工、重量は約1kgです。接合面を補強して天板は設けず、ランプスイッチは下部に取り付けたため、邪魔な空中配線はありません。
- 床面には底部のアクリルだけが接している状態です(カラーテープは底にかかっていません)。